大会長挨拶

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このたび、2017年(平成29年) 8月19日(土)、8月20日 (日)の 2日間にわたり、岐阜市において第 5 回日本吃音・流暢性障害学会を開催させていただくことになりました。長澤泰子理事長をはじめ、理事や会員の皆様のご厚意により、学会担当の機会を賜りましたことに深く感謝を申し上げます。

本大会のテーマは『ダイバーシティ社会と吃音』です。21世紀になって、吃音の研究と臨床は大きく変容しました。特に、脳研究の進歩により、吃音臨床も吃音者の脳機能のエビデンスに基づいたアプローチが注目されています。第4回大会では脳研究の最先端が紹介され、科学的根拠に基づく吃音臨床の方法について認識を深めることができました。しかし、吃音のある人の QOL を考えた時、生き方を含めた吃音臨床の実践が不可欠です。今、われわれは、多様な生き方が認められ、主体的に環境に働きかけて生きることが求められる社会で生活しています。このような社会での吃音研究の方向性や、吃音のある人への支援のあり方を、今一度考えなおすことが本大会の目的です。大会では、社会生活との結びつきで吃音を考えることができる特別講演および教育講演を用意しました。また、女性吃音者の支援や、発達障害との関わりなど、まさにダイバーシティ社会での今日的課題をシンポジウムの形式で取り上げます。

8月の岐阜は、清流長良川に鮎が涼やかに泳ぐ時期です。夜には、1300年の歴史を誇る鵜飼いが行われ、漆黒の闇と川面に映る篝火、舟べりをたたきながら鵜を「ホウホウ」と励ます鵜匠の掛け声に、都会の雑踏をしばし忘れていただけることでしょう。大会会場の長良川国際会議場は、利便性が高い上に、長良川、金華山、岐阜城が眺められる、自然に融和した施設です。学術活動とともに岐阜の自然を存分に楽しんでいただけるものと思っております。

どうか、多くの方々のご参加をお待ち申し上げております。

aisatsu_murase    日本吃音・流暢性障害学会第5回大会長

  村瀬 忍 (岐阜大学教育学部 教授)

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(2017-4-12更新)